バルカス・リョサの小説を読んだのは、これがはじめて。
19世紀の半ば、女性解放運動と、労働者の団結を勧めるために、フランス中を遊説して回った、ほとんど先駆的な活動をした女性がいた。
その名を「フローラ・トリスタン」スカートをはいた煽動者
その4年後に彼女の薄幸の娘から生まれたのが、「ポール・ゴーギャン」芸術の殉教者
35歳の時に、ブルジュワの生活を捨て、画家になってしまった男。生活は困窮し、周囲からは反社会的かつ不道徳の烙印を押されるが、ゴーギャンはひたすらに絵を描く。
やがて、ヨーロッパ文明を否定し、文明の破壊から免れた、原始の生活が残る地を求めて、彼は、ポリネシアへと向かい、悲惨な生活を続けながら絵を描くのだ。
祖母と孫。このふたりの時代の反逆者を、一章ごとにパラレルに並べて辿り、決して辿り着く事がない楽園への道程を、リョサは、愉楽の文で描く。
まさに小説を読むことの愉楽を、この本を読みながら感じていた。
バルカス・リョサの小説を読んだのは、これがはじめてだけれど、これほどの作家を、今まで読まなかったのを、自身に恥たほどだ。
長編小説の厚みを、十分に楽しんだ。小説は、読んでいる間にしかないと言ったのは保坂さんだけれど、とりわけその説は、長編小説に当てはまる。
ぼくはこの文で、単なる概要しか言えない。そうして概要なんて、なにも言っていないのと、同じだ。
「楽園への道」の面白さを理解するには、ただひたすら、読むしかない。読みながら、読むことの愉楽を感じるしかない。
廃業しようが失業しようが、小説は面白い。










![Powered by 269g[ブログ・ジー]](http://269g.jp/img/269g.gif)
ゴーギャンはずっと前から好きな画家。高校の時、京都でゴーギャン展があって、見に行ったのを思い出します。
もっともゴーギャンについて具体的に知識があるわけでなし、「ゴッホの手紙」と「月と六ペンス」以上の知識はない。
ゴーギャンの祖母にこんな人が居たなんて知りませんでしたね。魅力的な本です。
ぼくもこの本を読むまで、
ゴーギャンの祖母が、先駆的な女性解放運動家だなんて、知りませんでした。
長い小説でしたが、読んでいる間、ワクワクしていました。
リョサの書き方が、良かったからでしょう。
ふたりの主人公に、呼びかけるように書かれています。
いづれにしても、このふたりに共通する魅力は、どんな逆境になっても、自分の意思を曲げなかった事ですね。
誰からも正当な評価を得られなかったのに、自分の意思だけは曲げなかった。
はたから見れば、不幸な境遇のようにしか見えなかったのに、不遇のうちに亡くなったように見えるのに!