「がん患者学」以降、「がん」を巡る話ししか書かなくなってしまったけれど、この本は、「がん」以外のことを書いていた時期から今まで、様々なメディアに発表したエッセイを、年代順にまとめた本だ。
いわば、柳原和子が、柳原和子になっていった軌跡を、辿った本だと言えるだろう。
先月、ちょっとした用事で、彼女の自宅に電話
もはやぼくから、彼女に何かできることはないだろうと思って。
用件を伝えた後、7月に東京に来る用事があると言ったので、それならほんの一時でもお会いしたいと告げると、出版記念会のお誘いが来たのだった。
親しい20人ほどが集まる小さな会だから、遠慮なくと言われたので。ぼくとしては、再発をくり返し、苦しい闘病を続けている彼女の現在の様子を、知りたくもあり、出席することを伝えた。
その出版記念の本が「さよなら、日本」だったという訳だ。
会には、今の彼女を支え続けている、彼女の本当に大切な人たちが集まって、温かくもにぎやかで楽しい雰囲気が漂う素敵なものだった。
どういう訳か、柳原和子さん自身が司会進行を務め、おそろく饒舌な話しが次々とくり出し、親しい人だけが許される、冗談やヤジが飛ぶといった、具合だった。
彼女の作家デビューを応援した編集者や、各メディアの記者。彼女の連載を担当した編集者。そうして、NHKで、がんサポートキャンペーンを一緒に作っていった放送人。
今まで彼女を支えていた友人。がん仲間。彼女の治療先の看護師。その他その他。
生身の柳原さんに接していると、この人は、並の女性じゃないなあと、心底思うよ。
末期ガン患者を10年続けていると、彼女はなにくそといった感じで、言う。この会は生前葬じゃないわよと、冗談のように言う。
今年は辛いけれど、来年は緩解しているはずと、彼女は言う。
ガン患者を続けながら、本を出し、テレビのキャンペーンをし、新しい連載をはじめる。
食べるためと、治療費のためよと、言い放つ。
とにかく凄い女性だと、強烈に思ったねえ










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