
昨日は東京近代美術館で開催しているゴッホ展に行ってきました。
さてようやく会場に入っても、彼の有名な作品を間近で見るためには、そうとうな忍耐が必要でしたが、中学の時買った、彼の画集の写真版の本物を、はじめて見る事ができて、待った甲斐があるというもの
ゴーギャンとの物分れの後、自らの耳を切り落とし、精神に異常を覚え、サン・レミイの療養院に入院してから、ピストル自殺するまでの間に描いた膨大な量の絵が、ゴッホを不滅の芸術家にしたのだと、思うけれど、まさにその時期に描いた彼の絵は、異様な緊張を、見るものに強いる。ぼくは、いつだって、気持ちが変になると、告白しておこう。
自殺する直前に描いたと思われる、「烏のいる麦畑」について、小林秀雄は書いています。「熟れ切った麦は、金か硫黄の線条の様に地面いっぱいに突き刺さり、それが傷口の様に稲妻形に裂けて、青磁色の草の緑に縁どられた小道の泥が、イングリッシュ・レッドというの知らん、牛肉色に剥き出ている。空は紺青だが、嵐を孕んで、落ちたら最後助からぬ強風に高鳴る海原の様だ。全管弦楽が鳴るかと思えば、突然、休止符が来て、烏の群が音もなく舞っており、旧約選書の登場人物めいた影が、今、麦の穂の向こうに消えた…」
彼はこの絵に見入られて、ゴッホの手紙を書いたのでした。










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